額装のススメ
「どうして額縁に入れるの?」「額装ってどうやるの?」「どうやって頼めばいいの?」
そんな「額装してみたいけど、よくわからない…」という額装初心者の方に向けたページです。
青葉画荘スタッフは額装が初めての方も大歓迎なので、店舗へ作品をお持ちいただきゼロからご相談いただいて構わないのですが、その前にちょっと額装について知っておきたいという方は、ぜひこちらのページをご参考になさってください。
額縁屋さんによって、名称、加工方法、ご提案内容など様々です。
「額装のススメ」でお話する内容は、青葉画荘の場合としてご覧ください。
額装のメリット1
「装飾」
そのままの状態でも素敵ですが、額装することで、作品がより引き立つように見せたり、飾る場所に合うように調整したりする役割があります。
額装のメリット2
「収納」
収集したメダルや切手、こどもの服と靴など、そのままでは飾ることのできない作品を額縁の中に収納し、飾れるようにします。
額装のメリット3
「保護」
埃、湿気、紫外線、酸、虫害などによる劣化を抑えます。
紫外線カットの表面カバーや、無酸マット、湿気防止加工など、作品の劣化を抑えたり、保護の役割を持ちます。
額縁の種類
「額縁に入れたい」と思ってお店に入ると、いろいろな形や大きさがあって迷ってしまいますよね。
まずは、額縁の大まかな種類を見てみましょう。
油額(油彩額)
キャンバスや木製パネルをそのまま額装したいときは、そのサイズで油額をお探しください。
油額は額縁の深さがあり、F4、P8などのキャンバスサイズで作られているため、そのままぴったりと入ります。
例えば、F4と描かれたキャンバスを額縁に入れたいのであれば、F4と書かれた油額から探せば大丈夫です。
■キャンバスサイズはこちら
ポスターパネル(ポスターフレーム)
規格の決まっているポスターサイズやOAサイズを入れる軽量フレーム。裏面も簡易になっているものが多く、表面も塩ビ板などが多いです。
メーカーによってはマット加工したものが入る厚みのものあります。
その他の額縁
この他にも、油額以上に深さのあるボックス額や、色紙額、叙勲額、ユニフォーム額など、入れるものに合わせて種類は様々です。
「パネルだけど、厚みがあるもので側面も見せるように額装したい」なども加工対応ができますので、ご来店の際は、ぜひ作品をお持ちいただければと思います。
各額縁についてのより詳細は額装記事にまとめております。
ぜひ、ご確認ください。
デッサン額のパーツ紹介
額縁の中身!
デッサン額の中身はこのようになっています。
作品の位置は③と④の間です。
マット台紙は、作品が直接ガラス(アクリル板)に接触しないようにする役割も担っています。それによって、経年と共に作品が転写されてしまうことや、絵具がくっついてしまうことも避けることができます。
裏版を見てみよう
裏板は「トンボ」という金具で止まっています。
対になっている吊り金具に紐を通して、その紐を壁に取り付けた額吊金具に引っ掛けて展示します。
または、軽くて小さな額縁の場合は吊り金具の代わりに三角吊りカンが一辺の中央に付いており、ピンなどで固定して壁に飾ります。
額縁の上下って?
額縁の半分より上に吊り金具がついている方が、額縁の上になります。
上下反転してしまうと、壁にかけたときに、不安定になり、くるんと浮き上がってしまうので、ご注意ください。
■色々な額吊金具
壁に額縁をかける際は、専用金具がオススメです。
壁に対して斜めにピンが入り、地震の揺れなどで抜けにくくなっています。
更にストッパー付のものは、額縁に通した紐が揺れで抜けないようになっています。
■専用金具について
■ 通販でもお取り扱い中(画材販売.jp)
https://www.gazaihanbai.jp/products/list.php?category_id=3135
マット額装について①
基本編
マット額装とは、マット台紙を使用した額装方法です。
ギターや洋服なども額装できるのですが、紙に描いた作品を額装する際の【マット台紙】についてご紹介します。
マット台紙とは?
マット台紙は、厚い紙のボードに、紙や布などが貼ってあるもので、作品と額縁の余白を調節したり、作品がガラスに直接触れないようにします。
青葉画荘の場合は機械でその場でカットする為、作品へのかかり具合など㎜単位での調整が可能です。
作品はマットの後ろから固定します。
マットの窓から作品が抜けないようにする為、作品より数ミリ窓のサイズは小さくカットします。
例えばポストカードを額縁に入れたいという場合、
ぴったりサイズのフォトフレームに入れるか、
キャビネ版の額縁に入れてマット幅を小さくコンパクトにするか、
インチ版に入れてマット幅を広くゆったりさせるか、
で雰囲気が変わります。
(どれが正解ということではないです)
マットへの作品セットについて
マットに作品を固定する時は、専用の額装用テープがオススメです。
セロハンテープやマスキングテープは、経年により接着面がべた付いたり、作品に茶色く染み着いてしまったりする場合があります。
マットに作品を固定する時は、専用の額装用テープがオススメです。
セロハンテープやマスキングテープは、経年により接着面がべた付いたり、作品に茶色く染み着いてしまったりする場合があります。
中性紙の額装用テープといえども、作品にテープをしっかり貼るのは抵抗があるという場合は、コーナー留めという方法もあります。
四つ角にポケットをつけて留めるようなイメージです。
店頭でも「テープで留めない方法にしたい」と仰っていただければ、こちらの方法でご提案致します。
額装用テープは、通販部門でもお取り扱いしております。
■額装用テープ(画材販売.jp)
https://www.gazaihanbai.jp/products/list/category_id/2973.html
マットのサイズについて
マットの外寸=額縁の内寸(入れられる部分のサイズ)=裏板の外寸
額縁の外寸は竿のデザインによってバラバラですが、内寸は規格サイズがあります。
額縁の外寸は、竿のデザインによって大きさが変わります。
■サイズについてはこちら
マット額装について②
加工編
マットの切り口について
マット台紙は、厚いボードに布や紙を貼ったものの為、窓の切り口は、ボードの白色が出るものがほとんどです。
中にはカラーボードを使ったタイプがあり、切り口に色がついていたり、切り口とマットの表面が同じ色のカラーボードタイプもあります。
■マットのカット方法について
■シングルカット
1枚のマット台紙からカットすること。
窓のカット方法の基本はストレート(長方形)ですが、オーバルや角丸、アーチ型などいろんなカット方法があります。
「こんな風に切れるのかな…」という理想形がある場合は、ぜひお伝えください。
■複数窓抜き
1枚のマット台紙から、窓(作品が覗く場所)を複数個カットすることもできます。連作など、額縁一枚に収めたいときに使います。
切り口に色が見えるタイプのマットを使用すると、ラインとなりメリハリが出ます。
■面金加工
マットの窓を装飾する加工方法。素材の異なるラインが入ることで、ぐんとメリハリがつき、額装がぼんやりするという時にもオススメ。
幅や色も種類があり、青葉画荘の面金加工はこちらの7種類です。
直線の窓にのみ加工可能で、オーバルなど円曲の窓には加工ができません。
■ダブルマット
窓のサイズの異なるマットを二枚重ねる方法です。
色や柄の濃い方のマットを下にして、隙間から覗かせるとメリハリがつきます。(もちろん逆でもOKです)
マットを重ねる分、厚みが出てしまうので、額縁の厚みの余分があるか確認が必要です。
■Vグルーブ
窓に沿って、溝を掘る加工方法。
マットの中芯がカラーボード(切り口の色が見えるタイプ)や、マットの紙色が濃くて中芯の白とのコントラストが強いタイプの場合に効果的です。
(マットの表面紙も中芯も白だと、あまり目立ちません)
■インレイ加工
種類の違う二種類のマットをパズルのようにハメ込み、一枚のマットにする加工方法。
ダブルマットと違い、厚みが出ないのでスッキリします。
■デボジング加工
ボールペンの先のようなもので、マットに押し付けて飾り模様を書き込む加工です。
■加工の組み合わせもOK!
こちらは、変形窓×インレイ加工×デボジング加工です。
加工方法をこのように重ねることもできます。
額縁×マット×加工方法で、可能性は無限大です